こんにちは、「なゆた」です!
超ヒットメーカー・坂元裕二さんの『初恋の悪魔』が、ついに完結しました!!
そこで今回は、小洒落てこじれたミステリアス・コメディーから、怒涛のクライム・サスペンスへと覚醒を遂げた『初恋の悪魔』の最終回を振り返りたいと思います!!
(注意:この記事では最終回のネタバレを含みます。純粋にドラマを楽しみたい方はここから先の閲覧をお控え下さい。)
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② 『初恋の悪魔』及び坂元裕二作品が好きな人
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最終回 振り返り
「悪魔を殺せるのは、悪魔だけだ!」 〜雪松署長が明かす、一連の事件の真実・・・
悠日(はるひ:仲野太賀)のレンタカーをどかし終えた琉夏(るか:柄本 佑)は、鈴之介(すずのすけ:林 遣都)宅の玄関で不審な血痕を見つける。
「君はこんな時、どうするべきだと思う?ドアを開けて確かめるべきだ。でもね、ドアを開けてそこに殺人鬼がいたらどうするべきだと思う?絶対逃げるべきだ。そうだね、逃げよう!」
琉夏は、閉じた傘を銃のように持ち構えながら、おそるおそる家の中を確かめる・・・。
次に琉夏は、鈴之介と悠日に連絡を試みるが、まったくつながらない。
「あ〜帰りたい・・・」
一方、鈴之介と悠日は、琉夏から連絡があったことに気づく。
心配した2人は、急いで自宅へと向かった。
その頃、琉夏の恐怖心は、ますます募るばかりだ。
すると、渚(なぎさ:佐久間由衣)から電話がかかってきた。
「アイスを買ってきたので、よかったらどうですか?」という連絡だ。
琉夏は、電話した時間を確認した。
31秒だ。
「最高記録、達成!」
琉夏は、渚と電話をしては、いつも時間を記録していたのだ。
ちなみに、連絡先の登録名は、鈴之介は「刑事課の友達」、悠日は「総務課の友達」、渚は「あの人」だ。
(せめて名前かあだ名にしてあげてよ(笑))
琉夏は、「アイス何味かな?」とワクワクしながら2階の鈴之介の部屋に入ると、背後から弓弦(ゆづる:菅生新樹)が襲いかかって来たのだった・・・!!
鈴之介と悠日が自宅に到着すると、弓弦が琉夏の特製おにぎりをくわえ、後ろでハサミを持ちながら待っていた。
弓弦は「女の人が玄関で転んでケガをして、男の人が病院に連れて行って・・・大丈夫だとは言ってたんですけど、とりあえず縫った方がいいって・・・」と言った。
鈴之介は、琉夏にもう一度連絡をしてみるが、出て来ない・・・。
次に、森園(もりぞの:安田 顕)に連絡してみるも、まったくつながらない・・・。
鈴之介は弓弦に、その日にあったことを問うと、弓弦は「そういえばおじさんが来て、女の人と言い争っていて、その人がケガをさせたんです。そのおじさんはすぐ逃げて・・・」と言った。
不審に思った鈴之介と悠日は「大丈夫だよ」と弓弦に迫ると、弓弦は鈴之介を突き飛ばし、2階の鈴之介の部屋に立てこもった・・・!!
悠日はドアの前で話を聞こうとする。
「弓弦くん・・・?僕たちは君の味方だよ・・・?安心して・・・。ひとつだけ教えてもらえるかな・・・?今そこに、君の他に誰かいるかな・・・?その人たち、無事なのかな・・・?」
すると、雪松署長(ゆきまつ:伊藤英明)が駆け付けた。
鈴之介が今の事情を説明すると、雪松署長は「今度は何人殺したんだ・・・?」と問う。
鈴之介は、事件の真相を聞き出すと、雪松署長はすべての真実を明かした。
キャンプの日。
弓弦は、塩澤・吉長・望月とともに、大地を川でいじめて殺してしまった。
それを知った雪松署長は、4人に「大地くんの靴を脱がしなさい。4人で、大地くんをもう一度川に捨てなさい。そして『大地くんは、靴を取りに行こうとして溺れた』と言いなさい。」と指示した。
そして事件は、「事故」として処理された。
その後、塩澤・吉長・望月は、罪悪感に耐えられなくなり、自分たちの罪を打ち明けようとした。
その度に弓弦は、3人を殺しては、雪松署長から大地くんの時と同じことをするよう言われ、隠蔽した。
つまり、一連の事件の真犯人は弓弦で、父である雪松署長はリサ(りさ:満島ひかり)などに罪を被せて事件を隠蔽していたのだ。
こうして打ち明けている間にも、雪松署長のスマホには、困っている弓弦から「どうしたらいいの?」とメールが届き続ける・・・。
雪松署長は、「鹿浜、取り引きをしないか・・・?俺が犯人だということにしてくれ・・・俺が死刑になって、それで終わりにするから・・・」とお願いする。
そんな雪松署長に対して鈴之介は、「ずっと終わらないですよ」と、リサなど濡れ衣を着せられた人々の写真を見せる。
鈴之介は、「あなたのお父様・雪松署長より命じられたのでご報告します。一連の事件すべてにおいて、あなたの関与はないものとします。私どもで秘密裏に処理いたしますので、ご安心ください。」と告げると、額縁を破ってハサミを取り出した。
「やるなら今しかない。悪魔を殺せるのは、悪魔だけだ!」
鈴之介が1階へ逃げる弓弦を追っているうちに、悠日は部屋の中を確かめてみた。
するとそこでは、星砂(せすな:松岡茉優)・琉夏・森園が全身をぐるぐる巻きにされているではありませんか!!
鈴之介は、弓弦を取り押さえると、持っていたハサミを振り下ろそうとする。
悠日は、3人の安否を確かめてみると・・・
「生きてます!!」
全員無事だった。
鈴之介はハサミを降ろし、弓弦に手錠をかけた。
雪松署長は、そのハサミを手に取り死のうとするが、自らその手を止めた・・・。
刑事課も駆け付けて、弓弦は逮捕された。
星砂・琉夏・森園は、病院に搬送された。
このシーンには本当にハラハラドキドキしましたし、泣きました。
ただ、琉夏くんの仕草や迷言、連絡先の登録名や、雪松署長の意外とカワイイ通知音によって、ちょっぴり恐怖心が和らぎました(笑)。
家族の時間
その夜、鈴之介と悠日は病院へ向かう。
星砂が目を覚ました。
すると・・・
「お前ら、何2人してバカ面下げてんだよ(笑)。」
「アホ」が帰って来た・・・!!
鈴之介は複雑な気持ちを抱きながら、病室から出た。
悠日は星砂の手を取った。
「なんだよ?」と星砂がいうと、悠日は「何でもないです。」と笑顔で返した。
事件解決から1ヶ月後・・・
悠日と星砂は、鈴之介宅で、3人で朝ごはんを食べる。
その姿は、まるで本当の「家族」のようだ。
悠日も、総務課総務係に復帰することになった。
すると、テレビからニュースが流れる。
雪松署長が、隠蔽に加え、朝陽(あさひ:毎熊克哉)を口封じで殺害した罪で再逮捕されたというものだ。
琉夏は渚から、「事件の真相を教えてくれたのは小鳥さんだというのは、本当ですか?」と聞かれる。
渚は、鈴之介から全部聞いたようだ。
琉夏は、何も言えなかった・・・。
星砂は、訪ねてきた小洗先生(こあらい:田中裕子)と、もう一つの人格についての話をする。
「『私の私』は消えないじゃん?『私の私』はいるけど、私だけになったらいなくなるんだよ?」
「あんたその子のことが好きなんだね。あの子、いい子そうだったし。ずっとあんたのこと守って来てくれたんだもんね。だったらもう、アンタの中にも、その子は生きているんじゃないの?お別れじゃないよ。会えなくても、離れてない人はいるの。」
3人が一緒に暮らすシーンは、とってもホッコリしました。
再び平和が、そして4人の日常が戻ったことに安心しました。
それにしても、小洗先生は本当に優しすぎる・・・。
大好物のナポリタン
その夜・・・
鈴之介宅に森園が高級のカニを持ってやって来て、朗報を伝えた。
リサの冤罪が証明され、釈放されるというのだ。
しかし、星砂には何のことか分からなかった。
翌日、星砂はリサと初対面を果たす。
リサのほうも、星砂が別の人格になっていることに気づいており、2人はレストランで食事をとる。
リサは、星砂との思い出ばなしをする。
このレストランに行ったのも、星砂がナポリタンが大好物だからだ。
星砂はリサに、「あの子はひと月前まで、『リサに会いたい、助けたい・・・』と願っていました。」と明かす。
リサは星砂に、「目をつむってもらってもいいかな?聞いてないフリして、二人きりにしてもらってもいいかな?」とお願いする。
リサは、星砂の中の「本来の星砂」に話しかける。
「ただいま。星砂。ありがとうね。待っていてくれて。私もさ、あんたに会いたかったよ。これからはずっと一緒だよ。また夜の散歩して帰ろうな。遠回りして帰ろうな。」
2人は仲良く、ナポリタンを食べるのだった。
リサが、星砂の中の「本来の星砂」に話しかけるところは、もう涙腺崩壊でした。
無事再会できてよかったです・・・。
「さようなら」
鈴之介は、徹夜明けで帰宅した。
中からは悠日と星砂の楽しそうな声が聞こえてくる。
複雑な思いを抱いたのか、鈴之介は「君たち、そろそろ出て行ったらどうなのかな?僕は元の生活を取り戻したいんだ。迷惑なんだ。」と告げる。
悠日と星砂は、さっそく出ていくついでに、新しい住まいの住所についてのメモを鈴之介に渡した。
「いつでも遊びに来て下さいね!」
「うん、今度遊びに行くよ。」
しかし鈴之介は、2人が出て行った直後、メモをゴミ箱に捨ててしまった。
その後、鈴之介は仕事をして帰っては、一人で食べて、一人で片付けて、一人で本を読んで・・・普通かつ孤独な生活をしていた。
なかなか落ち着けない鈴之介は、ゴミ袋の中からメモを探すが見つからず、代わりに見つけたのは古くなったリンゴだった。
あの時、星砂にリンゴの剥き方を教える約束は、果たせなかった・・・。
それでも鈴之介は、「元に戻っただけだ」と開き直るのだった・・・。
数日後・・・
鈴之介は、仕事帰りに星砂を見つける。
恥ずかしくなった鈴之介は、あわてて隠れた。
帰宅後、鈴之介は自宅のジオラマを作り、中に5つの人形を並べていく。
鈴之介、悠日、星砂、琉夏、そして、もう一人の星砂・・・。
鈴之介は、4人で過ごしたかけがえのない日々を思い出す・・・。
すると、庭から物音がした。
行ってみると、なんと別人格の状態の星砂がいた。
2人は夜の公園に行った。
「多分、会えるのは今日が最後かもしれません。お別れをしに来ました。言っておかなきゃと思って・・・。」
「何をですか・・・?」
「鹿浜鈴之介さん。あなたに会えて良かったです。あなたのこと好きになりました。あなたはとても素敵な人です。これからも、あなたのことを想っています。」
鈴之介は、泣きながらこう答えた。
「はい!!」
そして2人は、ありのままの時間を過ごしていった。
「世界中たくさんの暴力はあるし、悲しいことはあって。僕が生きているうちにそれがなくなることはないと思います。でも、人に出来る事って耳かき一杯くらいの事かも知れないけど・・・いつか、暴力や悲しみが消えた時、そこには僕の耳かき一杯も含まれていると思うんです。世の中は良くなっているって信じるのが大事だって。」
「仲良くなれる人っていて当たり前じゃないと思うんです。今いなくて良いんだと思うんです。今ここにいなくても別の所にいるかもしれないしね。その人も一人かもしれない。大事なのはちゃんと自分のままでいることだなって。」
そして近づく、サヨナラの時・・・。
「元気でいて下さいね!」
「あなたもお元気で!僕はもう大丈夫です!」
星砂は、背を向けたまま、手を振った。
走り去ってゆく星砂を、鈴之介は笑顔で見送るのだった・・・。
この切なくも温かいサヨナラのシーンは、もう令和の名シーンですよ!!
特に星砂が背を向けたまま手を振るシーンで、坂元さんの映画『花束みたいな恋をした』の再会のシーンを思い出しました。
最強の4人
朝になり、目を覚ました鈴之介のもとに、
悠日・星砂・琉夏が、野球場のジオラマを持ってやって来た。
どうやら、野球場で不可解な事件が起きたらしく・・・。
4人はさっそく、自宅捜査会議を始めるのだった。
やっぱり、4人で過ごす毎日は、サイコーだ。
「行くぞ。『マーヤーのヴェール』を剥ぎ取るんだ!」
(おしまい)
やっぱりこの4人が最高ですよ。
笑ったり、ケンカしたり、謎を解いたり・・・。
こんな日々が、ずっと続くといいなぁ。
なゆた感想 〜 新生「土曜ドラマ」に、大革命が起きた!!
いやぁ〜、日曜劇場『マイファミリー』(TBS)に続いて、今作も最高のドラマでしたね!!!
やっぱり坂元裕二さん、スゴイです。アッパレです。
ライトで独特すぎる迷言を生み出すコミカルな会話劇と、先の読めないサスペンスフルな展開の2つの要素が、小洒落てこじれた雰囲気でブレンドされて、坂元裕二さんの金字塔なるものが生まれました!!
これはもう、新生「土曜ドラマ」に、大革命を起こしたと言っても過言ではないですよ!!!
2017年4月期の『ボク、運命の人です。』より土曜夜10時にお引っ越ししてから、『ウチの夫は仕事ができない』や『コントが始まる』など、この枠で数多くの名作が放送されましたが、ここまで先が読めず完成度の高いエンターテインメントをこの枠にブッ込んでくるなんて、思いもしませんでした!!
放送前の宣伝で「小洒落てこじれたミステリアス・コメディー」と謳っていましたが、僕はこのドラマをこう呼びます。
「コメディー、ラブストーリー、青春、ミステリー・・・全てがギュッと詰まった、坂元裕二発・新感覚ジェットコースター・エンターテインメント」と!!
W主演の林 遣都さんと仲野太賀さんをはじめ、キャスト陣全員の演技も素晴らしかったですが、中でも最高だったのは、やっぱり松岡茉優さんです!!
二重人格という難役に挑んだ彼女の、圧巻の演技に驚きました!!
これはもう、アカデミー賞は確定ですね!!
仲間の絆、それぞれの想い、そして恋とはどんなものなのかを感じさせる素敵な作品でした。
改めまして、キャスト・スタッフの皆様、お疲れ様でした!!!
3ヵ月間、興奮と笑いをありがとうございました!!!
最後に・・・
3ヵ月間書き続けた「振り返り」は、これで最後です。
皆さんはこのドラマを見て、どんなものを感じましたか?
このドラマ、そしてこの記事を通して、仲間の大切さを改めて確かめ合えたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!!
これまでの振り返りをご覧になりたい方は、是非こちらも読んでください!
あ!!あと、次の土曜ドラマは『祈りのカルテ 〜研修医の謎解き診察記録〜』になります!
10月8日スタートです!!
今度はとっても心温まる医療ミステリーなので、良かったら是非こちらもよろしくお願いします♪
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